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【DX海外事例紹介】アパレル業界

業界問わずDXへの対応がカギになっている中、アパレル業界は一般的にその波に乗り遅れていると言われています。本稿では、なぜアパレル業界においてDXが難しいのか、そうした中でどのような取り組みが行われているかなどを実例とともにご紹介します。顧客がオンラインでも自分に合った商品を選択して、安心してショッピングを楽しめるように、デジタル戦略を見直す上でぜひ参考にしてください。

バーチャル試着

アパレル業界のDXが困難である最大の理由は、「試着ができず通販に不向き」だからです。サイズや色などが自身にフィットするか、通販サイトだけでは現物を手に取って確認できないので、消費者が不安を感じるのも無理はありません。したがってオンラインショッピングが生活に定着するもアパレル業界においてはリアル店舗にはかなわず、DXに遅れをとってきたというわけです。
しかし近年は、デジタルの限界を突破しようと多くの企業がバーチャル試着を可能にしています。バーチャル試着の充実は顧客体験の向上に直結します。それはブランドが顧客とのつながりを強化することにもつながり、いずれは各顧客への個別化したアプローチまで見据えることができるでしょう。このため、フェイスブックやスナップチャット、ティックトックといった多くのSNSがショッピング拠点としての地位の構築に乗り出しているのです。以下その成功企業例を4社紹介します。

アマゾン

アマゾンは今や世界最大の小売り企業であり、2021年の米国での衣料品売上高はトップを記録しました。同社はバーチャル試着を強化しており、今年6月には買い物アプリでスニーカーを試着できるようになりました。
取り組み加速のために、これまで複数の企業を買収してきました。例えばボディラボという身体の3Dモデルを作成していた企業を買収し、バーチャルフィット技術に活用してきました。また「混合現実システム」の特許を得、自宅で試着できるARミラーの開発に取り組んでいます。これが商用化されれば、顧客は祝賀会やビーチといったバーチャル環境で服を着用している様子を確認できるようになると言います。

ケリング

バレンシアガやサンローランといった高級ブランドを抱えるケリングは、メタバースやデジタル素材のNFT(非代替性トークン)、ECなどのデジタルチャネルを充実させています。近年は、グッチでバーチャル試着テックを試していると言います。
同社においても他企業との連携が欠かせません。例えばアバターの着せ替えゲームアプリを手がけてる英ゲーム会社の「ドレスト」とは3年前から提携しています。また「スナップ」と連携し、人気SNSスナップチャット上に「買い物できる(ショッパブル)AR」テックを導入しました。消費者はこの機能を使ってグッチのスニーカーを試着、そのまま購入できます。

ウォルマート

ウォルマートもバーチャル試着の強化やテックへの投資をしており、顧客体験向上から事業拡大を狙っています。同社はいずれ、顧客が自身の写真をアップロードすればバーチャル試着ができる機能を提供する予定です。また将来的には、そのデジタル上のスタイルを友人と共有したり協力するためのソーシャル機能も搭載する可能性があると言います。これが実用化されれば、EC上のアパレル品購入が増えると共に、それに関する会話も増えていくでしょう。

ナイキ

ナイキは自らを次世代のEC開拓者と位置づけており、デジタルチャネルでの売上高比率を21年の35%から、25年には50%にまで高めるという目標を掲げています。そんな同社のバーチャル試着は、3Dスキャンテックを搭載してさらにレベルの高いものとなっています。この機能によって、顧客はアプリで自分の足をスキャンすれば完璧にフィットするシューズを選択することができるのです。

上記のバーチャル試着機能を搭載しているのが、NIKE通販の代名詞的な存在である「NIKE SNKRS(ナイキ・スニーカーズ)」と「NIKE(ブランド全般の直販アプリ)」です。これらのアプリは、バーチャル試着テックの強みを活かして直販強化にも一躍を担ってきました。

リリース背景には、アマゾンによる小売流通業の大刷新と世界的なスニーカーブームがありました。アマゾンショックによりスポーツグッズ量販店といったこれまでの強力な販路が衰退すると、スポーツやアパレルの販売主導権がEコマース企業に移行し始めます。さらにレアモデルの偽物がオンラインで出回るようになりました。ナイキとしては、新しい消費チャネルへの対応、ブランド毀損へのディフェンスの必要性に迫られたのです。そこでいちはやくアマゾンと提携したほか、直販アプリを開発して独自の販路開拓に踏み切りました。

NIKEやスニーカーズといったアプリはバーチャル機能の搭載で商品選択をサポートすることで顧客を魅了し、シェア拡大に成功してきました。また、商品流通の地域格差も解消した点で評価が高いといいます。というのもアプリリリース前までは量販店やアマゾンで欠品が出ると、公式店舗のない地方在住者には人気商品の入手が困難だったのです。しかし正規ルートが整ったことで、転売業者によって価格が高騰したり、二次流通による詐欺被害も抑制できるようになりました。

さらに量販店衰退に伴いフラッグシップショップも開設し、オンラインとアプリの顧客体験をさらに向上させてきました。店舗では、NIKEアプリで購入した商品の受け取りや試着ができます。また店舗内決済もNIKEアプリを使えばレジに並ぶことなく完結します。このようにナイキは、オンラインとオフラインを融合で顧客体験の向上を実現し事業を拡大させています。

顧客データの活用

アパレル業界は長く実店舗に依存してきたため、消費者の情報の収集から分析することができませんでした。その結果、消費者の多様化するニーズを把握できない企業が多いのです。この課題をDXで解決した一例が、アンダーアーマーです。

アンダーアーマー

アンダーアーマーは「コネクテッド・フィットネス」という健康データを追跡、分析できるアプリを活用し、事業拡大に成功してきました。
まず合計7億1500万ドルを投じて、テクノロジーを基盤としたフィットネス企業を複数買収しました。こうしてフィットネスアプリの立ち上げに必要なテクノロジーと大量の顧客データベースを手に入れ、フィットネスや健康の管理アプリをリリースしました。
買収による膨大なデータを分析することで最高なフィットネス顧客体験を提供しましたが、アンダーアーマーはコア事業のアパレルにその恩恵を活かします。アプリで収集できるデータから最新のトレンドを特定し、ニーズに対応したフィットネスウェアを展開できるのです。
例えば、オーストラリアで始まったウォーキングのトレンドを即座に認識し、地域に密着したマーケティングと販売活動を展開しました。競合他社がトレンドを知ったときには既に市場はアンダーアーマーの一色だったと言います。

また、アンダーアーマーはアプリを活用して没入感のある顧客体験を提供しています。まずアプリ上でフィットネス目標や好きなシューズのスタイル等を共有することを促すと共に、効果的なトレーニングスケジュールを組めるよう顧客をサポートします。そして高度なデータ分析によって、最適なアパレル商品を提供しています。例えば米国限定で、Armourboxというサブスクリプションサービスがあります。各々の顧客ニーズに合わせて全身のフィットネスウェアを定期的に送ることで、素晴らしい顧客体験を実現しています。

このようにアンダーアーマーは、「コネクテッド・フィットネス」アプリを活用して情報を収集・分析し、消費者一人ひとりのニーズに合わせた最適な顧客体験の提供に成功してきました。そして消費者重視で敏捷性を備えたデジタルブランドを生み出しました。またデジタルビジネスを通して、アスレチックアパレル企業にとどまらずフィットネス業界全体に改革をもたらしています。

商品のデジタル化

ナイキ

再び紹介するナイキは、活動量を測定できる商品も開発してきました。初期モデルはNIKE+と呼ばれました。これはAppleのiPodと連携して始まった活動量測定のデバイス及びアプリサービスです。
NIKE+は、測定や分析といった科学の活用を一般個人レベルでも可能にした点で画期的でした。またアプリ内のコミュニティは情報交換やモチベーション維持にも効果的で、一般レベルのフィットネスの活性化にも繋がったと言います。
リリース当初は専用の小型センサーをシューズ内に埋め込み、その走行データをiPodで表示させるという仕組みでした。iPodの軽量化が進むとトレーニング中に音楽を聴くことが容易になり、NIKE+にエンタメ性と科学的レビューが追加されていきます。さらに腕輪型のNIKE製デバイスによってiPodなしでも測定が可能になりました。最終的にはスマートフォン上のスポーツアプリでトップのシェアを獲得するに至りましたが、4年前にNIKE+は終了し、ランニングに特化したNRC(NIKE Run Club)と、ジムトレーニングに特化したNTC(NIKE Training Club)に継承されています。

まとめ

DXを促進しようにも多くの障壁に直面してきたアパレル業界ですが、このように最新のテクノロジーを活用すればさらなる事業拡大を目指すことが出来ます。「オンラインでは自分に合うかわからない」という顧客の悩みも、バーチャルで試着できれば解決します。また顧客情報の収集や分析に取り組めば、多様化する顧客ニーズに対応した、新たなビジネスモデルの展開にもつながります。それは今後のアパレル業界を生き残るためにますます必要性を増していくことでしょう。本稿で紹介した成功例に続き、デジタル戦略を見直してはいかがでしょうか。

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