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【DX応用編】世界最先端の質問応答AIとDXへの応用

はじめに

 デジタル化の推進によって様々な情報が電子的に記録され、即時に共有することが可能な現場が相当な割合を占めるようになりました。

 情報が記録できるようになると、次に問われるのはいかにそれを活用するかです。DXの一貫として、蓄積された情報を個人の生産性向上や組織の競争力創出に用いることが理想とされます。しかし、テキスト情報は数字や記号と異なり、システムに処理をさせるのは難しいとされてきました。

 これに対して、発達した自然言語処理AIを活用してテキスト情報も活用できるようになっています。その事例と取り組む時のコツを考えます。

質問応答AIとは

 自然言語処理とは大量のテキストデータを分析する技術のことを指します。意味抽出、文書要約、会話生成、翻訳など、用途に合わせて様々な自然言語処理技術が開発され、それぞれに強いAIが開発されています。

 汎用的に活用がしやすいのが質問応答AIです。質問応答は、情報を必要とする人の意図にあった情報を、検索範囲のテキストから抽出するための技術です。次世代の検索技術ということもでき、既に幅広く利用されています。

 2019年から、Google検索に質問応答AIが活用されるようになりました。例えば、「トヨタ自動車の社長は」と検索すると、検索結果としてトヨタ自動車のWEBページから「豊田 章男」氏がハイライトされた状態で表示されます。この質問の意図にあった検索結果の提示は、質問応答AIが検索クエリの意味を抽出ができているからこそ実現できています。キーワード一致に基づく検索では同ページの「社長」を特定することが精一杯となります。

参考:Googleの検索結果

 上記の事例では、AIがWEBに蓄積されている大量のテキストデータから回答を抽出しています。これに対して、組織ごとに蓄積しているテキストデータから回答を抽出できるようになれば、ビジネス現場に対するインパクトは大きなものになると想定されます。

ビジネス現場における質問応答AIの活用

 質問の意図にあった回答を、蓄積されているテキストデータから抽出することができるのが質問応答AIです。AI技術が発達し、より賢くなるにつれて、その有用性も高まっています。

Bank of AmericaのAIアシスタント「Erica」

 Bank of America(以降:BofA)はアメリカ最大の銀行です。そのBofAが口座開設者に展開している銀行サービスに関してなんでも相談できるAIアシスタントがEricaです。2018年にリリースがされ、その回答内容や利用しているAIはこれまで幾度なく更新されてきました。Ericaは口座の操作方法についてはもちろん、残高や最適な資産管理方法など、銀行サービスに関して幅広く相談をすることができます。

 BofAのプレスリリースによれば、デジタル口座開設者5500万人のうち3200万人がEricaとやりとり経験があり、質問の98%に対して有用な回答を提供することができているとしています。また、1か月で17万件以上の資産運用に関する問い合わせが発生しています。これらはユーザー満足度の向上に貢献していると推察され、デジタル口座開設者の5%増加の一因にもなっていると考えられます。(なお、Ericaには質問応答以外にも機能がありますが、ここでは割愛いたします)

 引用:BofA Twitterアカウント
 参考:https://newsroom.bankofamerica.com/content/newsroom/press-releases/2022/10/bank-of-america-s-erica-tops-1-billion-client-interactions–now-.html
 https://www.pymnts.com/news/digital-banking/2022/record-consumers-embrace-digital-prompting-bofa-to-boost-tech/
 https://www.pymnts.com/artificial-intelligence-2/2022/bofa-virtual-assistant-erica-surpasses-1b-interactions/

行政資料をアクセスしやすくするLab IAの取り組み

 行政はその性質上多くの情報を持っています。しかし、それをアクセスしやすくするのはどの国でも課題となっているようです。

 Lab IAはフランスの政府機関の一つで、フランス国政府によるAI科活用を促進する役割を担っています。その活動のひとつとして、各種統計情報を検索しやすくすることが任務となっていました。

 そこで様々な質問に対して、回答となるデータを含む資料を提供できるシステムを質問応答AIを活用して開発しました。質問応答AIを活用することで、キーワードが不一致でも適切な資料を特定することができるようになります。その結果、従来のシステムと比べて検索精度が12%向上しました。

 参考:https://www.deepset.ai/blog/improving-on-site-search-for-government-agencies-etalab

日本語の質問応答AIとその活用

 現在開発されている質問応答AIの多くは多言語対応をしたモデルとなっています。しかし、訓練された言語によって得意・不得意とする言語が決定し、従来より欧米系言語に強いAIばかりでした。

 しかし、最近は日本語での学習が強化されたモデルも発表されており、2022年11月17日には世界的に有名なAIライブラリHugging Faceにおいて日本語を得意とするAIモデル「LUKE Japanese」の公開が発表されました。今後、質問応答AIの日本語への対応力は益々高まることが期待されます。

 日本語に強い質問応答AIを活用してDXに取り組む日本企業も増えています。例えば、北海道電力株式会社においては、情報通信部が社内向けにITインフラ全般に関するサポートにキーワードベースで階層的に登録するチャットボットを利用していました。既に蓄積されているFAQをそのままに、質問応答AIで検索するチャットボットに切り替えるだけで検索精度が69%から74.5%に向上しました。また、質問応答AIを活用することで従来必要としていた階層構造の管理コストもなくなり、運用負担が減りました。

 参考: https://www.answerrobot.ai/user-voice/case-hokuden/

質問応答AIを効果的に利用するために

 質問応答AIは以下の条件に当てはまるユースケースで特に力を発揮します。

 ・多量なテキストに対して、多量な検索切り口が存在している場合
 ・多くの質問に関する回答が含まれるテキストが既に存在する場合
 ・情報にアクセスする人がキーワード検索をするのに必要な知識が不足している場合
 ・検索結果を複数提示すれば、検索者が最適解を判別することができる場合
 ・検索対象とする情報の表現方法が多様な場合(例:病院、クリニック、診療所)

 これらの条件が複数当てはまる場合は、情報アクセスに質問応答AIの活用をおすすめいたします。
 また、効果的に質問応答を利用するためのポイント3つを紹介します。

ポイント①:目的に合ったUI×質問応答AIの選択を

 必要な情報へのアクセス向上を図る時に、どのような場面で、どのようにアクセスができると最適かを検討する必要があります。チャットボット、FAQページ、電話など、ニーズにあったUI(User Interfaceの略)を準備することで、必要な時にすぐに情報にアクセスできる環境を実現することができます。

 また、各社から出されている質問応答AIにはそれぞれ特徴があります。例えば、ディレクタリーやシナリオに基づいて情報を絞り込むもの、学習不要で汎用的な検索に向いているもの、学習データの準備が必要となる一方で専門性の高い検索が可能なもの などがあります。どのような質問に回答ができることが求められているかに応じて、ニーズにあった質問応答AIを選択することが重要です。

ポイント②:導入と運用の両面を見据えたコスト計算

 質問応答AIは人間のように自己学習できる状態には至っていません。そのため、多くの場合はAI導入後、検索対象とするテキストを更新したときや検索精度の向上を図りたい時に、AIの学習を補助する操作をする必要があります。その一方で、AI が十分賢いために追加学習が不要な場合やメンテナンスを外注できる場合もあります。

 質問応答AIの場合は導入費用だけでなく、運用方法とそれにともなうコストについても把握することが必要です。

ポイント③:固有ケースにおける技術精度検証を

 質問応答AIごとに、その開発方法に基づいて強みと弱みがあります。他社のユースケースで高い精度を発揮できていたとしても、御社のFAQで使われている表現、登録されているテキストの類似性、検索クエリの多様性等によって検索精度が大きく変わることがあります。

 質問応答AIの活用を検討するとき、是非自社データを登録してどのような挙動をするかを確認してから意思決定をすることをお勧めします。

まとめ

 組織ごとに蓄積するテキスト情報が多くなりすぎ、それを活用するには人間はもちろん、従来のキーワード検索を中心とした技術では不十分な状態になりつつあります。

 しかし、記録と共有するだけのためにIT化を図ったわけではないはずです。

 発展が目まぐるしい最新の質問応答AIを活用して、蓄積したテキストデータをどのように活用できるか検討をしてみませんか?

 ※本記事は自然言語処理技術を開発するAIスタートアップStudio Ousiaの協力の下、作成いたしました。
 同社が開発する世界最高精度AIのDX活用について、関心がある方はお気軽に弊社にご相談ください。

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