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【DX基本編】メンテナンスの効率化

 あらゆる産業において、メンテナンスは総運用コストの大部分を占めます。特に製造業にとっては悩ましい問題で、消耗品である機械を扱う以上、時間と共に故障や不具合が生じる可能性は避けられません。そして早期故障が発生すれば追加コストに繋がってしまうため、メンテナンスの計画と実施は事業全体の収益性に大きく影響します。本稿ではその効率化のヒントを、タイプ別にご紹介します。DX検討の参考になれば幸いです。

目次

メンテナンス戦略の重要性

 生産サイクルにおいて、機械のオフライン時間や装置が非アクティブな期間をダウンタイムと呼びます。このダウンタイムにはメンテナンスのための計画的なものと、予期せぬ故障や破損といった計画外のものがあり、後者は収益に大きな損失を与える可能性があります。その損害はメンテナンスコストをはるかに上回ることが多いため、メンテナンス戦略が極めて重要というわけです。その利点として、以下のようなことが挙げられます。

 ・コスト削減
 ・安全性の向上
 ・機械のライフサイクルを延命
 ・信頼性の確保
 ・ダウンタイムをなくし、事業全体の成功率アップ

 80%以上の企業がダウンタイムを防ぐための効果的なメンテナンスを実施すべく、デジタルソリューションを採用しています。これによって自動で予測・管理を行うことができ、メンテナンスのDXは信頼性を40%超向上や、生産性向上を達成できると言われています。

戦略策定時のTIPS

 メンテナンス戦略の策定時に考慮すべき点として、以下のようなことが挙げられます。

 ・プランニング~実行のトレーニングにかかる時間コスト
 ・メンテナンスによる計画的ダウンタイムの増加
 ・メンテナンスの増加 = リソースの増加
 ・予算

 導入後にスムーズに手順を実行できるように、一方で同時に予想外のことが起きれば柔軟に対応できるように、戦略をたてることが成功のカギとなります。

メンテナンスの種類

①予防メンテナンス

 予防メンテナンスとは機器の故障を未然に防ぐためのものを指し、定期点検、古くなった部品の交換、システムアップグレードなどを指します。これによって故障リスクを減らし、機械寿命を延命し、またエネルギー節約にも繋がります。
 例えば、車両が1000マイル走行するごとにドライバーにオイル交換を指示する、3ヶ月ごとに水フィルターを交換する、定期的に空調機器を清掃するなどといった事柄は、すべて予防メンテナンスの一例です。
 これは短期的なコスト、労力、時間の面で難点が多く、テクノロジーを導入して自動化するニーズが高いプロセスの1つです。

②修理メンテナンス

 設備や生産ラインの劣化や故障が発生した場合に早期に対応するのが、修正メンテナンスです。一般的には早く正常な状態に戻すことが求められ、緊急性と程度によってはコストがかさむ場合があります。
 例えば、業務用厨房の揚げ鍋が故障すると何が起こるでしょうか。顧客は怒る。道具なしに仕事ができないシェフは給料が減る。ソーシャルメディアのネガティブレビューで会社の評判が落ちる——。このような負の連鎖も生じかねないため、迅速に対応できることが求められます。
 これはメンテナンスコストの低さやダウンタイムの短さに利点があり、レストランや小売業に適しています。

③予測メンテナンス

 予測メンテナンスはAIやIoTなどの先端技術を採用し、問題の生じるはるか前に故障を予測して対応するものです。センサーを搭載した機械から収集した大量のデータから機械学習アルゴリズムを用いて分析することでパターンを特定するのです。
 最大のメリットは、①の予防メンテナンスと異なり、必要なときにだけメンテナンスを行える点です。
これによってメンテナンスコストを削減し、ダウンタイム削減、ROIの向上を目指すことが出来ます。しかし精密なIoTセンサーは、過酷な製造環境で機能が低下し、追加コストがかかる可能性があることを考慮する必要があります。この種類の戦略が適しているのは、食品製造、石油・ガス、エネルギープラントなどの産業です。

④条件付き自動メンテナンス

 ほとんどの機械は故障に至る前に、なんらかの前兆を表します。条件付きメンテナンスは、その初期段階を自動的に検知して対処を行うものを指します。
 デメリットとしてセンサー導入等の追加コストが挙げられ、これに躊躇してしまう企業も少なくありません。しかし従業員による監視の簡素化、ダウンタイム削減、そして機械寿命の延命といったメリットでコストは相殺され、むしろ長期的には事業成長に繋げることができるでしょう。
 このタイプのメンテナンスは監視が容易、頻繁な部品交換が必要、そして修理が簡単である機械に適しています。

 

⑤メーカーの所定メンテナンスプログラム

 本稿で紹介する中ではおそらく最もマイナーなこのメンテナンスは、機器の状態ではなく、メーカーが提供するプログラムに沿ったものです。このプログラムは、故障メカニズムや過去のMTTF(平均故障時間)統計データに基づいて作成されていますが、近年はデメリットが大きいと言われています。
 というのもこの所定プログラムを利用するということは、メンテナンスチームは外部のメーカーに依存している状態を指します。よって管理しているにもかかわらず、自分たちで故障を予測することができません。そしてダウンタイムの増加や効率低下を招く可能性があります。またコンディションベースではなくあらかじめ決められたメンテナンスであるため、不要な部品交換からコスト面でも推奨度は低くなります。

まとめ

 使用機械や事業目標等、生産現場によって適したメンテナンス戦略は異なります。また、複数のスキームを組み合わせればよりメンテナンス効率の向上を図ることもできますから、綿密な戦略が欠かせません。
 メンテナンスは一般的にコストがかかるプロセスであり、新たに戦略を立てるのは腰が重いかもしれません。しかし効率的に行うことができるようになれば、より大きなコストである故障という事象を避け、事業全体の収益率を向上させることが可能になります。
 現場の最適化から、DX推進を始めてはいかがでしょうか。

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