【DX基本編】人気のUXデザイン6選
「第一印象がすべて」という決まり文句に出会ったことはありませんか?
言うまでもなく、それは主にデザインによって決まります。そしてどんなに便利なウェブサイトや製品も、時代遅れや貧弱なデザインに組み込まれれば無力になってしまいます。
ユーザー・エクスペリエンス(以下UX)は、製品やサービスとの関わりを通じてユーザーの持つ印象や体験を指します。本稿では、2022年トレンドのUXデザインを6つ紹介していきたいと思います。
目次
UXデザインの重要性
UXデザインは、直感的でスムーズかつ、ワクワクするような顧客体験を創造します。そして顧客のブランドに対する認識を根本的に変えることができます。優れたUXデザインは、アクセス数や最終的な売上の増加に直結するのです。
2022年のトレンド6選
ブランドのストーリーテリング
ストーリーテリングは企業と顧客の関係構築に役立ちます。人々はブランドの全貌や他の顧客の体験といったストーリーに触れるほど、その企業を信頼して共感する可能性が高くなるからです。
これらのストーリーの細部をUXに織り込むことで、顧客にパーソナライズされた体験を提供できます。ブランドがなぜ生まれたのか、何をしようとしているのか、そしてユーザーがそのビジョンにどう関わっているのかー-。
スクロールするたびに浮かび上がるストーリーに魅せられ、ユーザーはこのブランドのファンになるのです。
背景には、人間の生来持つ好奇心や想像力が物語を読むことでかきたてられ、豊かな感情と共に深く内容を理解できるという性質があります。2022年、ストーリーテリングは急速にUXデザインの原則へとなってきました。
顧客体験のフロー
著名な心理学者のミハイ・チクセントミハイによると、「フローとは人々がある活動に没頭し、他のことがどうでもよく思える状態のこと」だそうです。彼は研究の中で、人間がフロー状態に入ったときに創造性、幸福感、生産性のピークに達することを発見しました。
この原則をUXデザインに当てはめると、各要素間でのスムーズなユーザー体験が重要だと言えるでしょう。決済のような特定の要素であれ、サイトへの着地からオンラインショップ閲覧、購入、商品受け取りといった一連のプロセスであれ、連続性を生み出すことに焦点を当てる必要があります。その一貫した自然な流れでこそ顧客体験が向上し、アクセスや購入を促すことができるのです。
マイクロインタラクション
マイクロインタラクションは、UXに大きな影響を与える細部の視覚的動作です。「いいね!」ボタン、スクロール、アニメーション、データ入力など、マイクロインタラクションはより面白く楽しい顧客体験を可能にします。
マイクロインタラクションの登場当初はユーザーにフィードバックを与えることに焦点が当てられていましたが、近年はデザインをより動的にすることがトレンドとなっています。
例えばGoogleは、クリック時にボタンが拡大するデザインでマイクロインタラクションを取り入れました。この機能は今年中に、モバイルとデスクトップ両者において標準的なトレンドになると言われています。
ダークモード
ダークモードとは、暗い色調を基調とした画面のことです。背景を黒などの暗い色で統一し、テキストや細部を明るい色で表示します。
クリエイティブなデザイナーには、ダークモードが提供するミニマルな視覚トーンを避ける傾向がありますが、実はユーザーはダークモードを高く評価するのです。黒を基調とするものは美しく見えるとともに、スクリーンにさらされるストレスを軽減します。視覚的に落ち着き、目に優しい体験をユーザーに提供できるデザインなのです。
仮想現実・拡張現実
コロナ渦での隔離生活やメタバースの確立によって、仮想現実(AR)や拡張現実(VR)へのシフトは一段と進んできました。そして今年のUXデザインのトレンドとしても確立されるほどに成長していくと見られます。
ARやVRを適用したUXデザインは、よりカスタマイズされた遊び場を顧客体験に織り込むことができます。そしてニーズにリアルタイムでダイレクトに応えることで、ユーザーと、企業やプロダクトの繋がりを強化します。
例えば多くのアパレルECサイトでは、自宅にいながらバーチャルに試着できるARが活用されています。その効用はユーザーが購買を検討するうえでの実用的な側面のみならず、高揚感をかきたてる素晴らしい顧客体験を通してエンゲージメントの向上を図ることもできるのです。
擬人化アニメーション
人間でない抽象的な物体を、人間を模した親しみやすいキャラクターに変える擬人化アニメーションも、今年のUXデザインのトップトレンドになると言われています。
人間は視覚的にも行動的にも、自分を模倣するものに惹かれる性質があります。つまり、擬人化されたアニメーションは、エンゲージメントを高め、より実態感を伴う顧客体験を実現することができるのです。
まとめ
UXデザインはスムーズで直感的、かつ楽しさに満ちた顧客体験を提供しながら、ユーザーが不便に感じてきた事象を解決します。その目覚ましい進歩で、市場の製品やサービスはかつてないほどに人間的で魅力的なものに変わってきました。そのため、トレンドをおさえて常に見直すことが不可欠です。
今回紹介したものはUXデザインの1部に過ぎませんが、デザインを見直す事で顧客のエンゲージメントを向上させるきっかけとなれば幸いです。